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インドの神様 ヒンドゥー教の三大神

インドの神様 ヒンドゥー教の三大神

 三神一体・トリムールティ 

本来は一人の神様がそれぞれの役割に応じ、姿を変えて現れているとされています。

●ブラフマー神:宇宙の創造を司る神

●シヴァ神:宇宙の寿命が尽きた時に世界の破壊を司る神

●ヴィシュヌ神:宇宙の維持を司る神

aum(オーム)インドの諸宗教において神聖視される呪文。

「a」は維持神ヴィシュヌ、「u」は破壊神シヴァ、「m」は創造神ブラフマーを表し、全体として三神一体(トリムールティ)の真理を表すものとされた。

現在では、観念的なブラフマー神を信仰する人は減り、多くの神話で語りつがれるヴィシュヌ神とシヴァ神が二大神として並び称され、多くの信者がいます。



ब्रह्मा ブラフマー神 宇宙の創造の神 

古代インドにおいて万物の根源とされた「梵・ブラフマン」思想を神格化したもの。バラモン教の時代は最高神とされた神さまです。インド北部のアブー山に暮らしていたとされ、ここにはブラフマーを祭る大きな寺院があります。4つの顔と4本の腕を持ち、水鳥ハンサに乗った赤い肌の老人の姿で表される。四つの手にはそれぞれ「数珠」、「聖典ヴェーダ」、「小壷」、「笏(しゃく)」を持っている。配偶神は知恵と学問の女神サラスヴァティー(弁才天)である。

▼黄金の卵(ヒラニヤガルバ)

『ヴィシュヌ・プラーナ』(古き物語)では、宇宙は「ブラフマーの卵の殻」と呼ばれる「地層」を中核にして、順次その地層をくるんで取り巻いている「水層」、「火層」、「風層」、「空層」、「元素の初源の層」、「大いなるものの層」、「根本原質」の7層からなると説明されています。私たちの住む世界は、すべて中核の地層(宇宙卵)の閉じた空間内部に含まれる。

参考:学研『ヒンドゥー教の本 インド神話が語る宇宙的覚醒への道』 p.92藤巻一保氏

ヴィシュヌ派によると、ブラフマーは、ヴィシュヌのへそから生えた蓮の花の中から生まれたとされ、ブラフマーの額からシヴァが生まれたとされる。

シヴァ派の神話では、カルパ期の終わりヴィシュヌ神とブラフマー神がどちらが宇宙の中枢であり創造主であるか争っている時、巨大なリンガが出現した。ヴィシュヌとブラフマーはこのリンガ(シヴァ神の男性器)の果てを見定めようとしたが見届けられなかったとされる。

ブラフマーはサラスヴァティーをいつでも見ていられるよう元々5つの顔であったが、無礼な話し方をしたという理由でシヴァを怒らせ、彼に1つ切り落とされて4つになったという説がある。




शिव シヴァ神 宇宙の破壊と再生の神 

終わりの近づいた世界を破壊し、新たな秩序を生み出す原動力となる神。シヴァ神の信仰を語るには、その妻たちの存在は欠かせない。

サティーとの結婚

ブラフマーの息子ダクシャ神は、娘サティーの婿選びにありとあらゆる神々、精霊たちを招いた。しかし、サティーが選んだのは、父に嫌われ招待されなかったはずのシヴァであった。二人はめでたく結婚したが、父ダクシャはシヴァを認めない。夫と父の不仲を嘆きサティーが聖火に身を投じて死ぬという悲劇が起こる。

これを聞いたシヴァは激怒し、ダクシャの供犠祭を徹底的に破壊した。そして妻を失った悲しみのあまり、狂気にとりつかれ、サティーの遺体を抱いて各地を放浪しては都市を破壊した。見かねたヴィシュヌ神が円盤を投げてサティーの遺体を細かく切り刻むと、シヴァは正気を取り戻した。サティーの遺体の破片が落ちた場所はみな聖地となり、遺体の破片1つ1つがその土地の女神として再生した。そのためシヴァには何百もの妃がいるとされる。


山の女神パールヴァティー

「ターラカというアスラ(魔神)が苦行して、とうとう偉大な力を手に入れてしまった。人々ばかりでなく、神々も苦しめられるようになってしまった。

神々は、ターラカを倒せるのは、シヴァの息子しかいないことを知った。そこで、ヒマーラヤの山の女神パールヴァティーと結びつけようとした。瞑想を続けるシヴァは魅力的な彼女が近づいてきても、その気を起こさない。試みに失敗したパールヴァティーは、シヴァに負けないような厳しい修行に入った。その苦行の真剣さが伝わり、二人は結ばれた。そしてターラカを殺す息子スカンタが生まれた」


第三の目

シヴァが瞑想ばかりしているので、退屈した妻のパールヴァティーが、ふざけて後ろから両手で目隠しをしたところ、世界が闇に包まれ生類が恐れおののいたため、それ救おうとシヴァの額の中央が割れ新しい眼が生じたといわれている。腰には虎の皮を巻き、頭髪は荒々しく束ねて高く巻き上げる苦行者の姿をしている。

サドゥと呼ばれるヒンドゥー教の修行者の一部、特にヒマラヤ周辺の修行者は、上のシヴァの姿に良く似た姿をしている。シヴァの寺院では、石で作られたシヴァリンガ(男根)が祀られてる。シヴァリンガは、リンガとヨーニが合わさり、この世を生み出したとされている。豊饒と繁栄のシンボルとして信仰されている。シヴァの乗り物として聖牛ナンディンも神として崇拝されている。

苦行者サドゥーの姿で描かれ、青い体に蛇の首飾り、額に第三の目を持つシヴァ神。それら一つ一つに神話にがあり、人々に慕われている。マハーカーラ(大いなる暗黒)とも呼ばれ、仏教の大黒天、神道の大国主と同一視され、馴染み深い神様である。


wikipedia『シヴァ』を参考にさせていただきました。



विष्णु ヴィシュヌ神  宇宙の維持神


聖鳥ガルーダに乗り、正義と司法を司る太陽神。4本の腕を持ち、右にはチャクラム(円盤)と棍棒を、左にはパンチャジャナ(法螺貝)と蓮華を持つ男性の姿で表される。 メール山の中心にあるヴァイクンタに住んでいる。ヴァーハナ(乗り物)はガルダと呼ばれる鳥の王で、鷲のような姿をして描かれたり、鷲と人を合わせた様な姿で描かれる。アヴァターラ(化身)と呼ばれる姿に変身して地上に現れるとされる。

配偶神はラクシュミーで、蓮華に乗った幸福の美女神である。

10世紀以降に南インドでヴィシュヌに関して独自の儀式や教義が発達した。


▼ヴィシュヌの生まれ変わり・・・多様な化身で世界を救済

    化身(アヴァターラ)は以下の通り

マツヤ (Matsya)、魚
大洪水の時に賢者マヌの前に現われ7日後の大洪水を預言し、船にあらゆる種子と7人の聖者を乗せるよう言った。マヌは魚の言う通りにしたので、人も動物も植物も破壊から逃れることができた。

クーマ (Kūrma)、亀
神々が不死の霊水アムリタを海から取り出そうとした時、亀の姿になって現われて作業を助けた。

ヴァラーハ (Varāha)、猪
大地が水の底に沈められようとしたときに、猪の姿で現われ大地をその牙で支えた。

ナラシンハ (Narasiṃha)、ライオン男
半人半獅子の姿で悪魔ヒラニヤカシプを退治した。

ヴァーマナ (Vāmana)、矮人
悪神バリによって世界が支配されたときに現われ、バリと3歩歩いた広さの土地を譲り受ける約束をした後、巨大化し世界を2歩で歩き3歩目でバリを踏みつけた。

パラシュラーマ (Paraśurāma)、斧を持つラーマ
クシャトリア族が世界を支配した時、神々、ブラフマン、人を救った。

ラーマ(Rāma) (意味は「心地よい」)
叙事詩『ラーマーヤナ』の英雄。魔王ラーヴァナから人類を救った。

クリシュナ (Krisṇa) (意味は「闇」または「黒」)
叙事詩『マハーバーラタ』の英雄。特にその挿話『バガヴァッド・ギーター』で活躍。

ゴータマ・ブッダ (仏陀/釈尊)
偉大なるヴェーダ聖典をアスラから遠ざける為に、敢えて偽の宗教である仏教を広めた(バーガヴァタ・プラーナ)。「誤った教えにより、異端の人々や魔神を迷わすために、この世に現れた」として化身のひとつとされている。興隆する仏教の教えを阻止するためともいわれている。


カルキ (Kalki) ("時間")、救世主
カリ・ユガ(世界が崩れ行く時代)の最後、世界の秩序が完全に失われた時代に現れて悪から世界を救い、新しい時代(ユガ)を始めるという。敵のすべてを撃退し、神の法を再興した後、天界に戻るとされている。これもイスラム勢力の台頭に危機感を覚えたヒンドゥー勢力が、阻止するために作られたといわれる。

化身の数は、22種類ある場合もある。一般的には上記のダシャーヴァターラ(10化身説)が用いられる。

ゲームのウルティマ・シリーズでのアバタールや、オンライン・コミュニティ・サービスでのユーザーの視覚的イメージであるアバターはこの言葉に由来する。

 

.※wikipedia『ヴィシュヌ』を参考にさせていただきました。


ヴィシュヌのアヴァターラ、ヴァーマナ (Vāmana)、矮人

ヴィシュヌのアヴァターラ、ヴァーマナ (Vāmana)、矮人

ヴァーマナがアスラ神族の王マハーバリの額に3歩目を下ろす場面。

マハーバリは毎年、彼の国民の繁栄を保障すべく現世へ戻って来ると考えられている。

インド南部のケーララ州ではオーナム祭で祭っている。

 

8番目の化身

クリシュナ

8番目の化身クリシュナ

クリシュナは、古来よりインド絵画、神像の題材となっており、その名はサンスクリットで意味は「すべてを魅了する方」「黒」を示す。

インド南部のケララ州の舞踊劇カタカリで演じられることも多く、人気の高い英雄である。




※参考にさせていただきました。

●中村元『インド思想史第2版』 岩波全書1956年

●『ヒンドゥー教の本 インド神話が語る宇宙的覚醒への道』 学習研究社2005年

●『インド 神々の事典』ビジュアル決定版 学習研究社

●山下博司『ヒンドゥー教 インドという〈謎〉』 講談社2004年


ブラフマー神(中央)とサラスヴァティー(右)ブラフマー神(中央)と神妃サラスヴァティー(右)Brahma with Sarasvati, a miniature painting "Brahma with Sarasvati (Vac), from an illustration to the Bhagavata Purana, msatd 1793, Paris, BnF, Manuscrits orienta

バンガロールにある瞑想しているシヴァの像シヴァ

A statue of Hindu deity Shiva in a temple in Bangalore, India.
シヴァ神シヴァ神

ヴィシュヌの化身・アヴァターラ

マツヤ(魚)
ヴィシュヌのアヴァターラ、マツヤ(魚)

ヴィシュヌのアヴァターラ、ヴァラーハ(猪)
ヴィシュヌのアヴァターラ、ヴァラーハ(猪)

牙で大地を持ち上げ、ヒラニヤークシャを倒す

ヴァラーハ。